TAjiKA

四代目の日々を綴る日記です。

about

”TAjiKA”は、ハンドメイドならではといえる独特の風合いと、アン ティーク鋏のような優美なデザイン、そして申し分のない気持ち良い切れ味をあわせ持った、こだわりの一品に仕上がっています。

works

”TAjiKA”の商品はこちらから。


お久しぶりです。
2017年03月06日

ずいぶん更新できず、
見て下さっていた方いたら申し訳ございません。
昨年秋のNY展示前から、製造はもちろん
次回お伝えするTAJIKA Journalの制作など
考えること、文章を書くことが多く
なかなかblogへ手が伸びませんでした。。

かなり時間かかりましたが
ようやく元のリズムに戻り
書ける余裕が出てきたので
頑張ります。


material.jpg


近況報告としては
掲載がいくつかあったのとこれから数本。
4月に東京・浅草で企画展「おうち、」に参加。
5月にフィールドオブクラフト倉敷に参加が
決まっています。
詳細は後日お知らせします。


初回なので、今日はこのくらいで。
それでは。

フィールドオブクラフト倉敷2016
2016年06月11日

こんばんは。 
今日は、先月の21、22日にあった
フィールドオブクラフト倉敷について
少し書きます。

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展示風景はこんな感じです。
右奥には竹二の鋏も並べていました。


kurashiki.jpg
D&Dの展示でも好評だったblack仕様
倉敷でも人気で、copperと迷われる方が多かったです。


毎年新しい製品を発表できるわけではないので
同じ製品を持って行くことになるのですが
毎回楽しみにして下さる方のため
いつもテーマを決めて展示しています。
今年は「お手入れ」でした。

写真を撮り忘れたのですが
サンプル鋏と布、ブラシ、バケツを用意して
特に園芸用の鋏のお手入れ方法を
具体的に説明しました。
あと、以前から作っていた油用ケース(写真右上の箱)も
販売してみました。(詳細は7月にはwebにて。)
思っていた以上に売れて驚きました。


webに動画を挙げていたり、口頭で
説明はしますが、実際に見て頂くことで
それほど手間のかからないことを知って頂ければ
続けて頂けるだろうと思います。
作業時間は3分もあれば十分です。
習慣として身につけば
なんともないことなのですが
実際にやるのは難しいようですね...。

やるとやらないでは
数ヶ月、半年と時間が経つごとに
すごく差が出てきます。
錆びさせてしまってから
後悔するんですよね。
それでもそれを機にやらないと!となるなら
錆びも良い薬となるのかもしれません。

もしもの時には、錆びを取って
きれいに磨きますので安心してください。
ただ、無理な場合もあるので
詳細は次回blogにてご紹介します。

地球の裏側から
2016年05月30日

こんばんは。
突然ですが、幼馴染が今チリにいます。
先日、友人にプレゼントしたいからと
flower shearsを購入してくれました。

それから特に連絡なかったのですが
急にメールが届き

tajika_user2.jpg


tajika_user.jpg

友人がワイン用のぶどうの収穫に使っていると!?

仕事ではなく、お手伝いらしいのですが
とってもよく切れると言って
嬉しそうに写真を送ってくれたそうです。

小さな国・日本の、あまり知られていない
小野という小さな町で
家内工業の町工場が作っている鋏が
地球の裏側で使われている。
行ったことのない国なので、あまり想像ができず
本当なのか?不思議な気分ですが
やっぱり嬉しいものですね。


鋏を毎日作っていると細かい作業の連続で
単調な(実は単調ではないのですが)作業の繰り返しです。
私達にとって1丁の鋏は、沢山の鋏の中の一つでしかないのですが
お客様が購入されるのは、その中のたった1つなんですよね。
もし、質の悪い鋏を出荷して、だめだと判断されたら
その工場の信用はなくなります。
そして、その信用は一人じゃなく
もっと広がって、大きな損失につながります。

私達は、流れ作業で沢山の鋏を作っているのではなく
「どこかのだれかが選んでくれるこの1丁の鋏」
という意識を持ち続けて大事に作らないといけないと思いますし
そういうことを改めて思い出させてくれる
素敵な写真とお便りでした。
ありがとうございました。

D&Department Osaka Exhibition report 2
2016年05月27日

こんばんは。
遅くなりましたが、展示のまとめです。


前回はD&Dで初めての展示ということもあり
とにかく、知ってもらう・触れてもらうための
展示構成にしました。
今年はそれを踏まえ、前回来れなかった方にも
興味を持って頂けそうな導入編のものに加え
少しステップアップした、技術を見て頂ける
道具を作り、展示しました。

d_d_tool.jpg

これは、「ひずみ」という鋏にとって最も重要
と言っても過言ではない研ぎの技術を見られるように
作った道具です。(展示の時の写真は見えにくいので、準備時の写真です)


2回目なのでステップアップということもありますが
これまで、鋏への入り口を広げることを中心に活動してきて
そろそろ次の段階に進む時期がきたのかなと感じています。
この道具はきちんと説明しないと分かりにくい物ですし
聞いたとしても、一度では理解が難しいと思います。
現段階では、鋏に興味のある方か職人や専門職の方が
興味を持ってくれるかな?という予想です。
実際、自分が声をかけなくてもじっと見ていたのは
知り合いの建築関係の方でした。

まだ始めたばかりで興味を持って頂けない現状は
TAjiKAの鋏を作り始めて3年ほど我慢の時期があり
ようやく認知度が上がってきたことと重なります。
父と何度ケンカしたことか(苦笑)
今回の道具もそれくらい時間をかけて
じっくり伝えていく覚悟です。


鋏は見た目は同じようなものでも
触ったり、使ってみると全く違います。
何が良くて、何が違うのか?
ただ切れれば良いなら、大量生産の鋏でも良いですが
職人が作る鋏を選ぶ時に、何を基準にして選んだら良いのか?
それを知って、選んでもらえるようにしないと
いつまでたっても、値段や名前、メディアなど
実際の物の価値とは少し離れたもので判断されてしまいます。

今、私達が考える良い鋏の条件をきちんと理解して頂き
作った物を選んで頂けるように。
さらにその期待を超えられる鋏を作ろうと思います。


今回、とても印象的だったのが
若い夫婦が私の在店した日に2回来てくれ
何度も触りながら、じっくりと悩んでいた光景。

年齢は関係ないかもしれませんが、20代であれば
他にもっと買いたい物もあると思いますが
それを鋏に使うって、言葉が悪いですがちょっと変わってると思います。
でも、物も情報も溢れ、選べない人が多くなっている昨今
ああいう風に選んでいる姿をみると
自分の生活に何が必要で、どんな場面で鋏を使うのか
きちんと想像しているのがよく分かります。
そうして購入した物はきっと大事にするし
他の物を選ぶ時でも同じだと思います。

そういう光景を見られたことがとても嬉しかったですし
その選択が満足いくものになるため
より良い物を作らないと。と身が引き締まりました。


毎年、展示の機会を下さるD&Dの皆様
お越し下さったお客様、ありがとうございました!
また来年も開催できるよう、頑張ります。
これからの活動にもご期待下さい。

D&Department Osaka Exhibition report
2016年05月13日

こんばんは。
遅くなりましたが、2月22日から
3月26日までD&Department大阪店で
開催されていた鋏の展示についてのレポートです。
1度にすると量が多くなりそうなので
まずはワークショップの話から。


d_d_work2.jpg

昨年にも、鋏を使って何かできないか
考えていたのですが、諸事情から実現せず
今年こそは!ということで、キッチン鋏を使用して
会期中に2回、豚汁を作りました。

いわゆる、皆さんが参加するワークショップ
(作家さんが作っている物を作る体験)ではなく
鋏を「使って」何かを作る。
鋏の使い心地、使い方を体験するワークショップ
になりました。

d_d_work.jpg

私も普段の生活で、ちょっとした物を切ったり
カニの身を取り出すのに甲羅を切るなど
様々な場面で使えることは分かっていましたが
鋏1本で全てをこなす。というのは難しく
どうやったら切りやすくなるのか
かなり頭を使いました。


1度目は野口さんと安定感のあるコンビで
どこまでやれるのかを確認しながら調理。
2度目は新しいスタッフの門脇さんと
ちょっとぎこちないながらも
どうやったら上手に切れるか
お客様と一緒に考えながらの調理は
あっという間に時間が過ぎ
2回とも、とても美味しい豚汁ができました!


門脇さんがD&Dのblogに書かれていましたが(こちら)
「物は使いよう」まさにこれを体現した時間でした。
私自身も、人参や大根といった丸いものを切ると
前に滑るだろうなと分かっていたことを確認できましたし
少し手を添えることで、滑ることを解消できたことは
これからの説明に活かせそうです。
一番の発見は、キッチン鋏セパレートを分離して
ナイフのように使うと、ごぼうの笹掻きがきれいにできること。
(もちろん、刃の入れ方(角度)や力加減が重要ですが。)



「作り手は、一番の使い手」



でなければならないと思っています。
使う側のプロではないので、製品の質を上げるには
専門の方のご意見はとっても重要ですが
自分で使ってみて初めて気づくことが沢山あります。

持ちにくい、指が当たって痛い、滑る・・・
使う人によっても、使う業種によっても
求めること、求める物は違います。
弊社の生産体制で、全てを叶えることは
とても難しいですが、できる限りのことは
応えていますし、それはこれからも変わりません。

常により良い製品作りをするために
こうした機会で得た感覚や
使って頂いている方の声をしっかり受け止めて
活かしていこうと思います。

ご協力頂いたD&Dスタッフの皆様
ワークショップに参加頂いたお客様
ありがとうございました!
今回の反省を活かして
また開催したいと思いますので
気になった方は、次回是非ご参加下さい。


次回は、今回で2回目を迎えた
D&D大阪での展示全体について
書こうと思います。ではでは