TAjiKA

四代目の日々を綴る日記です。

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”TAjiKA”は、ハンドメイドならではといえる独特の風合いと、アン ティーク鋏のような優美なデザイン、そして申し分のない気持ち良い切れ味をあわせ持った、こだわりの一品に仕上がっています。

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TAJIKA Journal vol.3 発行記念イベントレポート
2017年10月25日

こんばんは。
前回に引き続きイベントレポートです。
ワークショップの模様は前回書きましたので
今回はトークについて。


しっかりトークというよりは
参加者は作業をしながら
atsumiさんと私がお話する形でスタート。
出会いや見学・取材に来られた時の話。
鋏の製造方法、メンテナンス方法の話など
質問も受けながら話しました。


最後10分ほど使って
今回のイベントで一番伝えたかった
鋏の「違い」について。


まず鋏に触れず、見た目だけで
どちらが切れそうか判断してもらいました。

sbs_event.jpg

少し分かりにくいので、もう少し寄ります。

sbs_event2.jpg

写真だと見た目があまり変わらないですが
実物は、艶(光り方)や形などはっきりと別物と分かります。
ほとんどの方が左側の鋏が切れそうとのこと。
その後、触って、糸を切ってもらいました。

すると、右側の方が良かったという方が
多くなりました。


正解というか、鋏を作る者として
どちらが優れた物か答えると
左側の方が使い心地も価値も高い鋏です。
(左が一部の職人しか作ることのできない
高度な技術を必要とする製法で作った和鋏。
右は竹二の和鋏です。)


実は、以前D&D大阪でトークをした時にも
同じような話をしたのですが
その時は今回と真逆か二つの違いが分からない
という方が多かったです。


この話は、正解を選んでほしかったのではなく


・触って違いを感じること。
・自分には何が使いやすいのか気づくこと。
・どんな基準で物を選ぶのかを考えること。


実際に体験することで、こうしたことに
気づくことが目的でした。
ショーケースに入っている物や
ネットショッピングでは絶対に分からない
触って初めて気づけること。

誰かのものさしで選んだ物ではなく
自分にとって何が使いやすく、合っているのかを知ること。

お店で1万円と千円で売られている鋏が
あるとしましょう。
普通に考えると、1万円の方が
良い物に決まっています。
しかし、使って見ると千円の方がしっくりくる。
そんな経験ありませんか?
普段から使い慣れている物の方が
あなたにとっては価値の高い物なのです。

使う人によって、必要とする性能は異なります。
今回参加された皆さんにとっては
二つの鋏が違うことはなんとなく分かるけれど
竹二の和鋏が切りやすかった。
これが答えです。

何も分からず選んでいたことから
一歩進んだのではないでしょうか?
この二つの違いに気づいて、これから先
最終的に左の和鋏を使いたいと思ってもらえる
そうなることが私の目標です。


少しずつ、こうした機会を作ったり
Journalを通して伝えていくことで
鋏はもちろん、鋏以外の物を
どうやって選んでいくのか
考えるきっかけになれば嬉しいです。

今回、WSとトークに参加頂いた皆様、atsumiさん
スタンダードブックストアの中川さん、五百森さん、河村さん
沢山の方にお世話になりました。ありがとうございました。
また機会があれば開催したいと思います。


TAJIKA Journalについて
まだ詳しく紹介できていないので
後日、書こうと思います。